音の脱落・消失 (elision)

■性質の違い
私たちは英語の授業に触れる前に、日本語として読みやすいように充てた「ローマ字」を習いますよね。その後の授業も読み書き英語が主流ですから、頭の中で読む英語は「一文字一音である日本語の音」にしっかり変換されているはずです。このため、実際の英語の音に接したときに頭の中のデータベースにある音と一致せず、「一体なんなんだ!」となりがちです。この混乱状態のまま練習を続けるのは大人には辛いので、練習に入る前に、英語の特徴を理解しておくのも一考です。

一つ一つの音が母音とペアになっている日本語と違い、英語には「子音だけ」の音が存在します。また、英語は文字や単語の区切りそのものより、文節ごとのリズムを重視する言語です。リズムを重視するがゆえ、子音だけの音が続くときに良く起きるのが、脱落・消失です。

使い慣れた母国語の感覚からすれば、書かれている文字はすべて発音するのが当然ですから、音が飛んだり強弱の激しい実際の英語を聞くと、音の違いに驚いてしまうのも無理はありません。
また、実際に英語を使う段階になると、脱落するはずの音、変化する音を、シッカリ元の音のまま一文字ずつ発音しようとすると、かえって相手がわかりにくくなってしまうこともあります。

そこで、ここでは脱落が起きるパターンに触れて行きます。リスニングやスピーキングは、運動と同じように繰り返し練習が欠かせませんが、「実際に会話で使われるときは、音が変化する」という英語の特徴を知っておくと、リスニングやスピーキングも楽になっていきやすいものです。

■音の脱落(消失)
単語の最後の子音と、次の単語の最初の子音が同じ・または似ている場合に、最後の子音が飲み込まれるような感じで脱落します。(一拍置くような感覚)

たとえば red dress は日本語で表すと「レッドドレス」と「ド」が二つ続きますが
英語では、re[d] [d]ress と [d] が二つ並ぶと、最初の音が脱落します。

この結果、re’dress と一つの単語のように一気に言ってしまうので、
耳に聞こえてくるのは、reッdress という感じになります。
(カタカナで記述するのは正確ではありませんが、便宜上、はしょられる音を「ッ」を使っています。 実際には、音を出さない一拍を置く感じです。)

言語が持つそれぞれの特徴を知っておくほうが、大人の脳みそには納得しやすいように思います。

■脱落パターンのヒント
では、子音の脱落が良く起きるパターンを整理しておきましょう。

’ の部分を ッ という感じで一拍置くように発音なさってみてください。

1) 同じ子音が続いたときの例

[b]+[b]
Bob blamed → Bo’blamed

[d]+[d]
red dress → re’dress

[g]+[g]
big glass → bi’glass

[k]+[k]
take care → ta’kare

[p]+[p]
stop playing → sto’playing

[t]+[t]=[‘t]
hot tea → ho’tea

2) 似た子音が続いたときの例

[d]+[t]=[‘t]
good teacher → goo’teacher

[t]+[d]=[‘d]
sit down → si’down

*t と d は舌の動きは同じで、声を出すか出さないかの違いだけです。

[b]+[p]=[‘p]
Bob parked → Bo’parked

[p]+[b]=[‘b]
group B → grou’B

*p と b は口の動きは同じで、声を出すか出さないかの違いだけです。

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