話し言葉で崩れる T の音・舐められるような Flap T

■舐められるような Flap T
イギリス発音とアメリカ発音の違いを確かめられる辞書で、
いくつか単語の音を確認してみてください。

各単語をクリックすると、the free Dictionary のサイトにジャンプします。
各ページの左上にイギリス国旗とアメリカ国旗があるので、
音を聞き比べることができます。

bottle
little
total
water

イギリス英語の発音の方は、ちゃんとTの音が聞こえると思いますが
アメリカ英語は、T が非常にナイガシロに扱われていますよね。
ラ行の音に聞こえることも多いでしょう。

この音、t と言うにはあまりに遠く、
英語圏の人からすれば、d に似た音になります。
日本語が母国語の人には、舌足らずな「ラ行」で聞こえることも多いでしょう。
(舌足らずなラ行の音は、英語の d の音に近いのです)

そう言われてもピンとこないんですけれど…と思われた皆様、
おっしゃるとおり!

実はこの Flap T の音は、本来の d の音や、
聞き慣れた「ダ行」の音よりも、
吐き出す息も少なめ、舌が上あごをタップするのもほんの一瞬、
アタアタと次の音に移動してしまいます。

するとどんなことが起きるかというと…

日本語でダダダダダ、と言いながら、
だんだんと舌の力を抜いていくとララララ、と、
ちょっぴり舌たらずなラ行に近くなっていきますよね。
しっかりしたダでも、しっかりしたラでもない、
ダラの中間あたりの音、なのです。

それが、時々、t がラ行に聞こえるユエンです。
でも、完全に日本語のラで代用するとまた別の音になってしまうので
舌の力を抜いて、ぞんざいに作る音だ(=英語の、弱い D の音に近くなるので)、
と、どこかで気に留めてみてください。

■普段使いのフレーズに使われるとどう聞こえるか?

さらにこの Flap-T の現象は単語だけではなく、
チャンク(熟語や、まとまった単語で一つの意味をもつカタマリ)でも
同じようにゾンザイに発音されます。

not at all
it‘ll
get out
get up
a little bit of
舐められちゃうものを赤文字にしてみました。
これらは、教わった通りの T の音ではなく、Flap T、ラ行と D の音の中間という感じで
ゾンザイに発音されます。

それから、話し言葉ではさらに単語同士がくっついて
(I am going to が I’m gonna になるように)
I got to が I gotta となることが多くあります。

gotta に使われている T がないがしろに発音されるのと、
その後に続く単語によって微妙に最後の母音が変わるので
ガラ、ゲラ、ゲロ、などと聞こえることもありましょう。

■動画で発音練習
自分で発音できるようになると、聞き取りも楽になります。
英語ネイティブ講師のジェニファー先生の動画で見てみましょう。

“da” の音を出して、それをだんだん早くしていく…
dadadadadadadada、という練習をしてくださいますのでぜひチェックを。

おつかれさまでした!

■アメリカ英語で flap t が使われるとき
1)t の前後の音が母音で(T が母音にサンドイッチ)されていて
2)その音にアクセントがついていない(強調される音ではない)ときに、使われます。

補足・1)「t の前後が母音」は、単語2つがくっついて一緒に発音される場合も含みます。
たとえば、let it は一気に言われるので、let it 赤にした t が flap t になります。

この法則によって、
bottle の t は、パタパタと素早く発音する D のような flap t 音になります。
hotel の t はそこにアクセントを持ってきて発音するので、基本の t の音になり、flap t にはなりません。

こちらの記事もご参考にどうぞ。
読者様からの公開質問:書かれていることばと聞こえてくることばの違い
easykaiwa.seesaa.net/article/175000120.html