Tの音

■T の単独音の練習

口元は自然に力を抜き、舌を上あご、上の歯の後ろにくっつけます。
吐き出す息を舌で一度せきとめ、その後で、舌を弾いてやる感じでTッ!

T は声を出さないで作る音なので、のどもとに指を2~3本あてて、T!とやってみてください。
指に振動を感じたら、知らずのうちに声が出ている証拠ですので、
息だけで出すことを意識してみてください。

日本語は「っ」以外はすべて声を使いますから、息の分量については普段は意識しませんが、
英語は吐き出す息の分量が足りないと、相手まで「音」が届かないことも良くあります。

私は、生まれて初めての海外・オーストラリア滞在中、
いくつもの言語をしゃべれる先生宅で発音矯正を受けていました。

その先生はとても熱心だったので、T の音のコツがつかめない私を外に連れ出し、
(野鳥に餌をやるついでに)
歯の裏に半分にしたピーナツを舌で支えて、それを息で足元前方めがけて強くすっ飛ばす!
なんてことを裏庭でやらされましたが、
そのくらいやって、ようやく「そうか、声じゃなくって息を使って出す音なのか!」と悟りました。

日本語は声を出さない音なんか使いませんから、なかなか納得できなかったんです。
皆様は、息だけで作る音、と意識して練習してみてくださいね。←絶対、近道です^^

→ 最後にくっつきがちな、いらない母音を抜くには…
t で終わる単語は多いので、余計な母音が入らないように口元がゆるく力が抜けた状態で、やや横に開いている程度なのを確認しましょう。
トゥやトになってしまうと、英語圏の人には違う音に聞こえてしまいます。(にゃんこ先生はキャットにあらず、Cat の音を出せるようにしておきましょう)
日本語になれた私たちは、母音が入らない音とはなじみが少ないので、
最初は違和感があると思います。でも、その違和感こそが外国語を学ぶ醍醐味。ぜひ、楽しんでくださいね。

■Glottal T (つんのめる感じですっ飛ばされる T の音)
・つんのめって飲み込まれる T (glottal stop)

たとえば、気軽なおしゃべり会話の中では、
単語の definitely の t の音は、飲み込まれてしまってほとんど聞こえません。
心持ち、「ッ」が入っているような感じがするだけ、という感じ。

これは、*音の脱落が起きているため、T の音が
glottal stop(舌の位置は t ですが、息をはじく代わりにつめて終わりにする)になっています。
T の音を「ッ」とつんのめる感じで、次の音に続くようにすると、上手くいきます。

この t をはっきり発音してしまうと、
かえって相手に通じにくくなってしまうというキケンもあります。

無理やりカタカナで書くと、
“definiッly” という感じです。

*音の脱落についてはこちらのページをご参考に (http://epel.olympicesl.com/archives/291)

■Flap T
いわゆるアメリカ英語では、ときどき T の音は flap t として発音されます。
(ブリティッシュ系の英語を話す人は、flap t を避ける人も多いものですが、音の存在を知っておくことは大切)

flap t (flapped t) が使われる時のは、
・t の前後の音が母音で(T は母音にサンドイッチ)されていて、
・その音にアクセントがついていない(強調される音ではない)ときです。

この法則によって、
bottle の t は、パタパタと素早く発音する D のような flap t 音になりますが、
hotel の t はそこにアクセントを持ってきて発音するので、基本の t の音になり、flap t にはなりません。

“flap t” は、舌が優しく上あごをタップするように作る音です。

このため、息を強く出して出す t の音よりも、どちらかと言えば、d を、ぞんざいに似た音になります。
とはいえ、素早くつくるこの音は完全な d の音ではないので、日本語に慣れている私たちには、
「ラリルレロ」に近い音で聞こえることも多いでしょう。

実際に練習が出来る動画はこちら:

Jeniffer 先生が動画の中で、
“da” の音を出して、それをだんだん早くしていく…
dadadadadadadada、という練習をしてくださいます。

本来の d よりも、
吐き出す息も少なめ、舌が上あごをタップするのもほんの一瞬、
アタアタと次の音に移動してしまうので、「大慌てな d」という感じ、と
捉えるとよいかもしれません。

もしくは、日本語でダダダダダ、と言いながら、
だんだんと舌の力を抜いていくと、ララララ、と、
ちょっぴり舌たらずなラ行に近くなっていきますよね。
(ダダダダより、ダララララ、の方が言いやすいですよね)
しっかりした「ダ」でも、しっかりした「ラ」でもない、
ダとラのどちらにもつかぬ、中間あたりの音、と理解されるのも良いでしょう。

それが、 flap-t がラ行に聞こえることがある理由の一つです。

ただ、このように中途半端な音ゆえに、
完全に日本語のラで代用すると、それはまた、
英語圏の人には別の音に聞こえてしまう可能性もあります。

たとえば、アメリカ英語では、
「ウォーター」とカタカナの音で言ってしまうと
よほど観光客に慣れた人でないと、通じません。

「ワーラ」と言えば通じるよ、という
「掘った芋いじるな」(what time is it now)系の方法もありますが、
実は、これも現実には、なかなか厳しい場合があります。

なにしろ、誰かが「日本語で言うなら、この音」と判断してふったフリガナは、
既に一度「強いてカタカナで言うとしたなら、この音かなぁ~~」という妥協の末、
日本語用に整形されているもの。

(本来の音を聞かないで)、誰かの妥協の末カタカナになった音を、
日本語として忠実に発音してしまうと、
実際の「英語の音」からは、さらに離れてしまうキケンがあるのです。

ただし、オンライン辞書や Youtube のネイティブ英語講師が提供している音、
それから生の会話などを聞いて、自分なりに「これが近いな」と、
自らふりあてたカタカナ… これは学校で教わってしまった「ローマ字読み」の矯正に役立ちます。

ですので、誰かがふったカタカナのフリガナと出会ったら、
ぜひ、一度はナマの音と聞き合わせてみること…
そして、必要があれば調整すること…この一手間が、後でラクチンになるコツです。

さて。
“flap t” に話を戻しますと
実際に自分が発音をする場合は、 “flap t” を使わなければいけない、ということはありません。
(ブリティッシュ英語を使う方々は、 “flap t” を避けることも多いのです)

ただ、アメリカ人との実際の会話の中では良く使われる音ですので、こんな風にして出しているんだな、と
覚えておくのは、特にリスニングには大いに役に立ちます。

“flap t” で発音する場合は、t の前のアクセント部分を、
思い切り強く大げさなくらいに音を出すと良いでしょう。
息の勢いが足りないと、素早く次の音に移行することが難しく、
flap t のところで、言いよどむような感じを味わうかもしれません。
一気に、慌てて、ぞんざいな感じでサラリと言ってしまうのが flap t の特徴の一つでもあります。

  • Shigeko Ishikawa

    T sound is one of the most difficult sounds for me.
    Thanks Misako, teaching me the way to practice.
    I’m going to try!

  • Hi Shige-chan,
    Thank you for the awesome comment! I thought your T sound was natural (from the speech you gave at the party), but it sure is a tricky one for non-native English speakers 😀 Learning a different language is always challenging, but we enjoy it immensely, don’t we?! *love* Misako